たからもの

 

 

姪っ子が3歳くらいの頃。

 

よく家で預かる事があり、人形遊びが苦手な母に代わり、わたしが遊び相手をしていた。

 

 

 

姪っ子が人形遊びの中で、ふいに「これ、わたしの“たからもの”なの」と言った。

 

 

わたしはその時、“たからもの”という言葉を何十年ぶりに聞いたような気がした。

自分の中ではすっかり存在をなくしていたことば。

普段聞くことがなく、自分も使わない。

けれど、なんて素敵なことばなんだろうと染み入ったのです。

 

 

まだ幼く純粋な姪っ子が発する“たからもの”はあまりにもきれいで、遊ぶ姿を見ながらこれから先この子に“たからもの”が見つかる人生になったらいいな、と思った。

 

 

そして考えたのです。

大人である、“いまのわたしのたからもの”は何だろうと。